「教え過ぎない」という教え方

「教え過ぎない」という教え方

浜崎アカデミーでは、理数系の質問に対して最後まで教えないようにしています。

「〇〇は考えた?」とか「こういう図を書いてごらん。」とか「こういう法則があるよ。」

と、短めの言葉をかけるだけです。

あとは生徒がうんうん考えます。

先生は待ってます。(そして、その間にもう一人の生徒の質問に向き合います)

悪意的にみれば放ったらかしのようにも見えます。

ただ、これが本当に理解してもらうために大事なのです。

先生が「完璧に教えた!」感を出すために

「○○で・・・。それで、××して・・・。そしてこうやったら・・・。できた!答えはコレだ!」

と最後まで説明しながら問題を解ききったとします。

一見、こっちの方がしっかり面倒をみているようにみえるかもしれません。

しかし、それは「先生が理解していて先生が解いた」だけです。
見ただけで生徒がそれを自分のモノとして体得して、次から助けなしで自力で解ける保証はあるでしょうか?

(ある、と答えるならそれは生徒の能力を過信し過ぎでしょう。
「最後まで説明してやったのに、どうして分かってない!?ちゃんと聞いてたのかぁ!!」とキレないでくださいね。)

一言アドバイスだけして生徒に解かせる理由は単純です。

その方が本当に理解できるから、です。

たとえば、解くために3段階のステップが必要な問題があるとしましょう。

これが分からない人は入口が分からなくなっていることが、よくあります。

ステップA→ステップB→ステップCと段階を踏んで考える必要がある問題で、ステップAについてうまく考えられてないからお手上げになっているわけです。

この場合にAもBもCも一気に説明しても、生徒の頭が消化不良を起こすだけなんですね。

この場合は、Aを教えて(またはAに必要なヒントを与える)、自力でAまでまず解けるようにしてます。

そうして、次にBを考えてもらう、という風に段階を踏みます。
またはAが分かると
「あ!」と声をあげる子もよくいます。
Bでしないといけないことに自分で気づくんです。
そうなったら、「じゃあやってごらん。」と任せます。

気づかなくてもBにだけ絞って、ヒントを出して、また自分で考えてもらいます。

と、いう細かくステップを分けてヒントを出しながらできるだけ自分で考えるように指導しています。

先生は生徒を放置しているように見えますが、考えるための材料は与えた上で自力で思考錯誤してもらっているのです。

この方が、一気に最後まで説明されるより生徒は理解しやすいです。

他人の説明というのは「理解した気分」になるだけで、実はあまり理解できていません。

しかしヒントをもらいながら自力で解くと、自分で考えるので解けたら頭に残ります。仮に解けなくても真剣に考えた時間がある分、説明された時に「そうだったのか!」と頭に残りやすくなります。

ですので、先生たちは「どうやって解くか?」は当然分かった上で、「どこまでヒントを出して、どこから考えさせるか?」を必死に考えてます。

全部説明するのは簡単ですが、あえて必要最小限の説明で「教え過ぎない」ことを心掛けています。

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